抗体付与型ナノ医薬品

TLCは薬物を内封した脂質に抗体や抗体フラグメントを結合させることによって、効率的ながん治療法を開発しています。抗体付与型ナノ医薬品は、特定の抗体と、特異的な細胞種の表面にある標的抗原が結合する相互作用を利用し、特定の組織にアクティブ・ターゲッティングされます。パッシブ・ターゲッティングと比べ、アクティブ・ターゲッティングのナノ医薬品は薬物を血管の遠くにある組織に送達され、治療薬の生体内分布を改善します。また、脂質により構成される抗体付与型ナノ医薬品は、抗体薬物複合体(ADC)などのアクティブ・ターゲッティングの治療薬より、多くの薬物を送達できます。つまり、ADCに結合された抗体1個に分子3~4個を搭載するのに対し、TLCの抗体付与型ナノ医薬品は抗体100個以下で10,000個に近い分子の輸送が可能となります。これは、抗体付与型ナノ医薬品が非常に効率の良い有効性の高い新治療法になると考えられます。TLCの抗体付与型ナノ医薬品は、抗がん剤のような細胞毒性の高い薬物の送達を改善させた実績に基づき開発を進めています。

 
 

応用

患部へのアクティブ・ターゲッティング

強み

    • アクティブ・ターゲッティング
    • 標的指向性リポソームによるインターナリゼーション