NanoX®

NanoX®は、薬物が免疫システムの食細胞に呑み込まれないように、ナノ粒子の表面に化合物のポリエチレングリコール (PEG)を修飾する技術です。薬物は異物として認識され難いため、血中滞留性を向上させ、腫瘍などの疾患部へ大量に集積します。NanoX®技術を利用すれば、他の分子薬でナノ粒子をコーティングし、腫瘍など特定の細胞に集積する治療も可能です。

さらに、NanoX®はTLCの化学技術を駆使し、ナノ粒子に大量の活性ペイロードを効率的に封入します。他の脂質DDS技術よりも、NanoX®によって製剤の安定性は著しく改善されています。

本技術は、臨床においてがん治療の有効性が確認された有効成分を利用します。NanoX®で有効成分を内包することで、毒性プロファイルを改善し、投与頻度を低減し、組織を標的とした薬物送達と血中滞留性の向上により、奏効率と長期間持続率を上げる点に関しては、効能の改善が期待されます。

NanoX®は、抗体複合変異体として、次世代の組織・細胞標的指向性薬物送達技術になると信じます。抗体複合体NanoX®への抗体ぺいロード数は50以上、従来の8未満より効率は大きく改善されます。

 

製品

TLC178, TLC590, Ampholipad™, Lipo-Dox

応用

イオン勾配で有効成分を小型単層小胞であるリポソーム(100nm±20nm)に封入する製剤の作製

強み

    • リポソームで様々な薬物の効率的な封入(例えば、弱塩基薬、アドリアマイシン、ビンカアルカロイドやカンプトテシン)
    • 長期保存可能
    • 循環時間(半減期)の増加
    • 腫瘍へ優先的に集まる特性による副作用の低減
    • 様々な分子サイズへの応用が可能
    • 有機溶媒がタンパク質含有有効成分を変性させない製造工程
    • より安定的、大量に、再現可能な製造工程